ASUSTek FAN EXTENSION CARD レビュー

ASUSマザーボード専用のパーツです。

3つのファンと3つの温度計を追加する強化パーツ


ASUS製マザーボードの一部に搭載されている5pin内部ポートに接続して利用します。
そもそも5pinポートがあるマザーボードのUEFIには最初から「EXT_FAN1」等のオプションがあるので気がついている人が多いと思います。
値段が高いが


まぁファンコンを買ったと考えれば安いものです。

SATA電源しかなかったのでついでにSATA電源-ペリフェラル4pin変換も買いました。
大した電力食わないと思うので安物ですが。

3つのPMW/DCファン、温度計を独立制御出来る


この製品の最大のメリットはファンを3つ独立制御できる点です。
あとはUEFIで認識できるファンと温度計を3つ追加できるという点です。
OS上でファンの制御を行うソフトウェアは正直何かしら問題が起きやすいです。
またOSでの負荷が大きくなれば、熱暴走対策のはずのファンコントロールソフトが落ちる危険性もあります。
OSの負荷に関わらず、より低レベルでファンの制御ができるため非常に便利です。
別途ファンコン装置を導入してもいいのですが、温度に対して自動で回転数を変化させてくれるものはかなりのお値段となります。
そう考えるとこの値段設定もちょうどいいのかなと思いますが、にしては製品自体安っぽい…。

サーミスタと5pinケーブルは付属


意外と手に入りにくい2pinサーミスタは3つ付属しています。短いのが難点ですが。
5pinケーブルは付属していてかつそこそこに長さがあります。
ボード自体を5インチスロットのネジ穴に固定するためのネジは付属していました。
ペリフェラル4pin用のケーブルなどは皆無だったので自分で用意する必要があります。

ワンチップ構成ではなくいくつかのパーツ構成


機能をまとめてワンチップにするとどうしてもコストが跳ね上がり兼ねないようでいくつかのICを組み合わせた設計になっていました。
このチップ一つ一つを調べれば5pinケーブルがどんな通信をしているのかも把握できるかもしれませんが面倒くさいのでやりません。
軽く調べてみた感じ、マザーボードに多様されているチップがほとんどのようです。
何故か4pin入力がありますが、独立制御できないし温度取得もできないのでぶっちゃけ不要です。
裏面は綺麗に仕上がっていますが絶縁処理されていません。不安になるなぁ…。

5pin端子


基板やケーブルは黒いのにコネクタだけ白です。違和感。
ケーブル自体は割としっかりしていますが、コネクタ周辺は正直弱そうです。

ケース内へ組み込み


裏配線等を利用しつつ2つのファンと増設した2つの温度計を配線。
このケースは5インチベイにネジがないケースなので未固定です。
電源はSATAからの変換で利用。5インチベイが4スロット分あるので配線隠しも容易です。
一般的なファンコンを導入するのと対して配線差はありません。

設定


UEFIに入りQ-Fanコントロールで設定していきます。
コントロールを有効化することで回転数が表示され制御できるようになります。
オンボードのPMWピンとほぼ同様に設定が可能で制約も非常に少なく感じました。
今回はEXT_FAN1とEXT_FAN2にケースファンを導入したのでケース内温度に応じて回転数が変わるよう設定。

増設した温度計からケース内温度を測定するので「EXT_Sensor」に設定。
今回はケース上部とケース中部でケース内温度を取得するよう配線したのでそのように設定もしていきます。
マザーボード上の温度計は異様に高い温度が表示されるので…。

OSでの認識は一癖アリ?


OSではそう容易に認識されません。
公式ツールであるAI SuiteⅢなら当然認識されますがあれ重いんですね。完成度も低い。
ということで軽いサードパーティなソフトから認識してほしいのですがCPUID HWMonitorでは取得不可。
HWiNFOを利用したところ取得可能だが非推奨と言われてしまいました。

I don’t recommend monitoring the ASUS EC sensor in case ASUS AI Suite is installed or running, this can cause conflicts.
Those negative values seem like an invalid readout also due to such a conflict.

訳:「ASUS AI Suiteがインストールまたは実行されている場合に、ASUS ECセンサーを監視することはお勧めしません。
これは競合を引き起こす可能性があります。これらの負の値は、このような競合のためにも無効な読み出しのように見えます。」
https://www.hwinfo.com/forum/Thread-Asus-EC-sensors

どうもこの拡張Fanや温度計はASUS ECという独自のAPIから取得するようで排他方式になっています。
これがAI Suite等と競合をおこしパフォーマンス低下を引き起こす模様。
実際、HWiNFOを起動しているとAURA Syncが不具合を起こすなどがありました。
なのでOS側からは常時監視は不可と考えておくのが良さそうです。
(AI Suite使うなら別ですが)

対応マザーボードを使っていてファン端子が足りないならアリ


正直「これいる?」と何度も自問自答した製品でしたが、自分にとっては非常にアリな選択でした。
Fan端子の残りをほとんど気にせず冷却のためどんどん増設できるのは強みですし、ファンの設置位置に対して独立したプロファイルを設定できるのは静音化にも繋がります。
一番メリットだったのはUEFIが認識できる温度計を増やせる点です。
どうしてもマザーボードに実装されている温度計は熱伝導によって温度が上がってしまう「マザーボードの温度計」です。
ケース内の温度を知るためには分離したサーミスタが必要です。
H370-Fには実はサーミスタ用の温度ピンがあるのでそれを利用すればいいのですが、私は別の場所に使ってしまっているので足りないという状況でした。
そういった意味でもこの製品は便利なのではないかと思います。
ただ…、3,500円にしては製品自体の絶縁処理や固定方法がお粗末すぎるんじゃないかと思いました。