アイオーデータ 高速NAS HDL-AA2 レビュー

バックアップデータをまとめられるようなNASが欲しかった。
パソコンで作業するとどうしても増えてくる消えると困るデータ
ただ、PCのローカル領域に入れておくとどこに保存したか忘れてしまう。
ついでにRAIDとかしてないからHDD壊れたら即死・・・。
というわけでNASの導入を考えました。
必要要件としては

  • 読み込み100MB/sオーバー
  • RAIDもしくは定期的な別ドライブへのバックアップ可能
  • HDDガチャは嫌
  • 出来合で手軽なやつ

という用件で探しました。
予算的に余裕があればSynologyやQNAPのNASキットもアリだったのですが、そこまで余裕があったわけではなかったので今回は出来合のものを購入しました。

HDL-AA2


アイオーデータ製NASです。
公称実測値が100MB/sオーバーであることや、USB3.0経由でのバックアップ。HDDはWD固定と今回の案件に適合するものでした。
価格も通販向けの/E型番であれば、パッケージが簡素である代わりに少しお安くなっています。

セットアップして使ってみる


出来合の製品というだけあってセットアップは非常に簡単。
ただ設定画面の画面推移がもっさりしていてちょっとストレスです。とはいえフォーマット中やファイルコピー中も変化がないので意図的にもっさりさせている可能性もあります。
「Samba」の設定が「Microsoftネットワーク共有設定」という名称になっていたり、LAN内からのアクセスをすべて許可する的な項目が別名称だったりと慣れている人には逆に使いにくい部分も多々あります。
「詳細アクセス権」を「無効」にするとLAN内からのアクセスをすべて受け付ける設定になりますが、表記が赤字になるため進められたモードではない・・・?

速度


メーカー公称値近いスピードが出ました。
1Gbpsのイーサネットほぼフルなので十分な速度だと思います。
ランダムアクセスもそこまで気になるほど遅いわけではないので、よほど酷使しない限りは普通のHDDと同様の感覚で使えそうです。
USB3.0のHDDへのアクセスもほぼ同じ速度でした。
USB2.0のHDDへのアクセスでもだいたい30MB/s~40MB/sほど安定して出てくれます。

USB-HDDを接続


USB機器に関してはUSBポートごとに管理されているのでUSBハブ等は利用できません。非常に残念で不便。
フォーマットはFAT32とNTFSに対応しているようですが、FAT32は仕様上HDDで使うような形式ではありませんしNTFSは読み込みしか対応していません。
実質的に専用フォーマットにするしか利用法がありません。そのため「データが入った状態のUSB-HDDを利用する」等はできません。
ただ専用フォーマットといっても普通にetx4なのでLinux機で普通に読めます。
RaspberryPiなんかがあればSFTP経由でWindowsに引っ張ってこれるので確かにバックアップドライブとして利用できそうです。
データバックアップ機能に関しては、まだバックアップ用HDDを用意していないので試していません。

パッケージ追加で新機能が・・・?


一部メディアでは「新機能が追加できるNAS発売」的な宣伝でしたが、ぶっちゃけこんだけしかありません。
今後増える可能性もあるとは思いますがファームウェアアップデートで増える程度でAndroidやその辺みたいな機能拡張は期待できそうにありません。
クラウドストレージ連携がOneDriveもしくはGoogleフォトに対応していればよかったのですが未対応でした。

バラした


パッと見た感じ封印シールがなかったので開けてみました。
これで保証は無くなるとは思いますが、IntelliParkでHDDが自滅する可能性もあったのである意味仕方ない処置です。
内蔵されていたのはWD BlueシリーズのWD20EZRZです。


残念というか当然ですがWD公式のRMAは利用できませんでした。
つまりこのHDDはどうあがいてもアイオーデータ保証の1年間しか保証がありません。
NAS自体は3年間保証してもらえるようですが、HDDは1年です。
もっともバラした時点で保証は切れます。

IntelliPark・・・お前!お前!お前!!!


信じたくはありませんでした。ところがどっこいこれが現実。
8秒ごとにヘッドを待避させるクソ機能が搭載されていました。
そして残念なことにこのNASはOSがHDDに入っているので頻繁にアクセスがあります。なのでできるだけ寿命を減らされるような事はやめて欲しいんですけどね・・・。
とりあえず以前の記事のようにIntelliParkを解除しておきます。
PCのSATAに直接接続すればタイマーは解除できるようです。

NASのHDDの構成は?

IntelliParkを解除するついでにGpartedを利用して確認したところ、案の定HDDにシステムが組み込まれていました。
ただこちらもLinux系パーテーションで構築されており、容量拡張などもできそうでした。
とりあえずこちらのサイトを参考にNASのシステム領域を吸い出して起きました。
反映できるのかは未確認ですが、どうせバラしたのであれば保険のため吸い出しておくのもいいかもしれません。
私の場合できたファイルは500MB弱でした。圧縮前であれば5GB程度あったようです・・・?

手軽に構築できるNAS。だけど融通は利かない

HDD入りNASの特徴としては手軽に構築できるという点です。
この機種は手軽に構築できて、かつ100MB/sオーバーの高性能さも持っています。
しかし、NAS内部のHDDが壊れた際は1年しか保証されない上、保証外の場合かなりの修理代を請求されるようです。
NASの中身をバラすようなユーザからしてみればシステム領域はNANDフラッシュかなんかに入れておいてほしいところですが、そうなると囲い込みができないのでしないのでしょう。
とはいえ、今時HDDでシステムを動かすような事は逆に性能低下につながりそうな気がします。
後継機で改善はされそうですが、今度はHDDが取り替えにくくなったりしそうです。
まぁメーカーとしては「NASの中身取り替えたいならNASキット買え」ということなんだと思います。
お金に余裕があれば断然SynologyやQNAPのNASキットをおすすめします。