Type-C機器の根深さと値段に四苦八苦

ThinkPad x1 Carbon買ったんですよ。

インターフェースが色々無い!


ThinkPad x260購入記事から大体2年半。
色々ありまして買い換えることになりました。
そしてこれが初のType-C機器の購入となります。SSDケースとかはType-Cだったけど
今回購入したThinkPad x1 Carbonは

  • Thunderbolt 3(Type-C) *2
  • USB Type-A *2
  • HDMI
  • 3.5mm4極ピンジャック

といったI/F構成。そう、電源もType-C。
愛用していたこの充電器が使えないという問題や

miniDPから変換するタイプのこれも使えなくなります。

だったらどうするか…

Type-Cで解決させる

Type-CでノートPCを充電

正直この話に関してははんぺん氏のブログAndroPlus氏のブログにてとてもしっかりと検証してくださっています。
Lenovo純正のType-C充電器は65Wと45Wモデルがあるのですが、以前のような「省スペースで65W」というのはまだ無く、今後のサードパーティ製品に期待です。
現状であれば、以前の65WトラベルAC並の出力かつ大きさで、価格がお手頃で安心して使えるやつとなるとこちらかなぁといった印象です。


もちろん色々探せば出てくるとは思いますが、Type-Cアナライザ持ってる人が「問題無し」と言っているのはかなりの強みだよなぁと思います。

下手にPCを壊したくないのであれば、両者のブログでおすすめされている充電器を買うのがいいと思います。俺だってそうします。

従来のモバイルバッテリーでノートPCを充電できるか?

お前はいつもそうだ。いつだって危ない橋を渡る。

Type-Cでの充電を調べていると、どうやらThinkPad x1 Carbon Gen6はUSB PD 15Wで充電できるらしいぞという情報を聞きました。
15Wというと5V3A。Type-C to Type-Cでの充電で補えるレベルです。
ただ3AはC to C限定の出力。Type-Aはどうやっても2.4Aしか電流はでません。
電流はね
電圧なら上げる手段あるじゃないか

こちらの製品。まず見た目からしてType-Cの規格を逸脱しています。
そしてその機能。QuickCharge 9V 1.8AをType-Aで受電し、Type-CからUSB PDの9V 1.8Aを出力するという、もはや規格もクソも無いアダプタです。
比較的安価で種類の豊富なQuickCharge充電器を、まだ数が少ない上価格の高いUSB PDに変換するという夢のようなものですが正直どんな動きするかわかりません。
一応Type-Cテスターを購入して検証予定ではいますが、これがうまく使えれば現状あるQuickChargeモバイルバッテリーでもThinkPadが充電できることになります。

Type-CからHDMIやUSBを出す

私のブログならむしろこっちが本題ですね。
x1 carbonにはHDMIポートが1つついているんですが、正直頻繁に抜き差しはしたくない。
あとはトリプルディスプレイにもすることがあったりVGA出力が必要だったりするので映像出力がもう一つほしいです。
そしてType-Cの特徴として「1ポートで複数の規格を出すことができる」という点。これを活用したいがためにHDMIやUSBを出すType-Cハブを探すことに。
しかしAmazonを見ると総じてType-CからHDMIを出す機器は高いという点。
これにはType-C規格の仕様が関係しています。

Type-Cからの映像出力や実質的にDisplayPortだけ?

以前の記事でDisplayPortはパケット信号を利用して映像を送っているという話をしました。
この「パケット」というもののメリットとしては「容易に大きさを変化できる」という点です。
たとえば「解像度をここまでに制限するからこれだけしか帯域を利用しない」ということが容易にできます。
逆にいえば「ここまで帯域使えるから解像度をもっと引き上げられる」ということも。

海外のニュースサイトから画像を一部引用して説明します。

Type-C規格はもともと、USBのために開発されました。
そのためUSB3.0用の伝送回路が4つ用意されています。「TX1」「RX1」「TX2」「RX2」

TXは送信。RXは受信用となり、これで全2重10Gbps通信を実現しています。
しかしUSB3.1 Gen2では2つの伝送経路しか利用せず、2つ余ります。
その余ったレーンにDisplayPortを流そうという仕組みが「DisplayPort Alternate Mode」です。

パケット通信であるため比較的容易に実装することができます。
しかし、2レーンしか利用しないDisplayPortは解像度を下げざる得ませんでした。
そこで「USBを切り捨ててでも解像度を確保する」というものが4レーン仕様のDisplayPort Alternate Modeです。

2レーン仕様ではUSB3.1を使いながらDisplayPort1.2としてFHDクラスのディスプレイを2つ、もしくは30Hzの4K表示が可能です。
4レーン仕様ではUSBを使用できませんが、DisplayPortの完全な実装ができるため4K/60p、5Kまでも表示が可能です。

USB3.2はこの4レーンすべてを利用して通信を行うため通信速度が倍速化します。
USB2.0はType-C内部で別に回路があるため、4レーン仕様であっても利用可能です。


4レーン仕様のケーブルとなるとこちらの製品等になります。
「あれ?以外と安い?」と思うかもしれません。
そりゃそうです。DisplayPortではありますが、そもそもType-CからDisplayPortがそのまんま出ています。
逆にHDMIにするほうが高く付きます。

Type-Cにパッシブ変換器は使えない

以前の記事で散々「DisplayPortはHDMIに化けれる!」と言っていました。
しかしType-Cに実装されるにあたって機能が最小限まで切り詰められた結果、デュアルモードがサポートされなくなりました。
ということでDisplayPortからHDMIなどに変換するにはアクティブ変換が必須になりました。


こちらの商品は商品ページに「DisplayPort 1.2Altモード及び上のディスプレイに対応」とあります。
しかし「最大4K@30Hzから1080pまで」とあるので「DisplayPort1.2をHDMI1.4にアクティブ変換している」ということになります。


さらにこちらはまた別実装です。
こちらはHDMI2.0出力ですが、入力はDisplayPortです。
「DisplayPort1.4で入力してアクティブ変換してHDMI2.0で出力する」というケーブルです。
このため、DisplayPortにしか対応していない機器でも4K/60Hz出力が可能というメリットがあります。
「とりあえず確実に4K/60Hzやりたいならこれ買っとけ」ってレベルの製品です。

「HDMI Alternate Mode」という規格は一応ありますが、HDMI1.4までしかサポートしていない上、USB3.0も使用不可なのでイマイチ普及してそうにないです。

結局Type-Cハブは何を使おう


USB3.0が使えてHDMIとVGAが使えるもので一番安いものはこれですが…そこそこお値段します。
一番安いものだとこちら

Type-CからUSBもHDMIも出そうとすると結局DisplayPortをHDMIにアクティブ変換せざる得ないのでどうしても値段が高くなりがちです。
専用チップが必要となるので、大量生産で安くなりがちなebayやGearbestでもそこまでお値段が変わらないという状態…。
Type-C関連機器が高いのには理由がやはりあるんですね。