SanDisk Extreme Pro microSDXC V30&A1対応 64GB レビュー

UHS-I+U3+V30+A1のR 100MB/s、W 90MB/sのフラッグシップmicroSDです。

SanDiskがA1に対応した新型microSD


microSDが登場した頃はガラケー全盛期で、miniSDに移り変わって登場してきました。私もSH903iを使っていたのでそれ用に2GBのmicroSDを買ったものです。
その頃は「Class」とよばれる最低書き込み保証となっており、だいたいの製品が「4」か「8」で「Class10」の製品すら少なかった覚えがあります。
しかし、microSDは未だ主流で最低書き込み性能も当時最速だった「Class10」の10MB/sは当たり前。今ではUHSという規格で10MB/s~30MB/sまでの速度保証が。
さらに4Kビデオなどが普及しはじめさらなる速度が必要になり「V10~V90」と呼ばれるビデオスピードクラスが登場してきました。
しかし、それはシーケンシャルライト、つまりは順次書き込み性能であり、スマートフォンなどで多様されるランダムアクセスの速度は爆発的に向上したわけではありません。
また、SDカードによっても差があり、シーケンシャルの差は問題視されてもランダムの差は個体差として処理されるケースが若干ありました。
そこで登場したのが「Application Performance Class」という規格です。
アプリケーションで利用される小規模のランダムアクセスの最低速度を保証するといった規格となっています。とはいえ、これまであまり意識されてこなかった部分なのでこれを保証しているmicroSDはまだまだ少ないです。
規格ができて間もないという事もありますが・・。

SanDiskフラグシップの「Extreme Pro」


今回購入した製品は「SDSQXCG-064G-GN6MA」という型番の並行輸入品になります。
そもそもA1対応製品は国内正規品としてまだ発売されていない状況です。
(docomoSelectにUltraのA1製品があるという噂も)
購入したのは風見鶏という店舗で偽物の多い並行輸入microSDの取扱店として信頼がおけると言われています。
海外リテール品でも1年間の保証があるため、安心感はあります。

驚異のリード100MB/s、ライト90MB/s


現時点で最速であるリード100MB/sを誇っています。
ただこれは「最高読み込み性能」であって「最低保障読み込み性能」とは違うのでご注意を。
ライト性能は、東芝のA1対応製品が95MB/sとなっており2番手になってしまっています。
とはいえかなりの速度です。たぶんMLCチップだろうけど非公開です。
同じA1対応製品の「Extreme」ではリードは100MB/sと同じですが、ライト性能が60MB/sと大きく下がってしまっており、おそらくTLCとMLCの差だとは思いますが確証はありません。

PCIe接続となっているx260のSDカードリーダーで読み込んだところ、これが限界でした。
90MB/s対応のSDカードでもこのぐらいしか出ないので遅くはリーダーの限界性能です。
100MB/sオーバーを見たかったのですが、USB3.0なリーダーを持っていないので確認することができませんでした。

刻印がとても多い。


SanDiskの代名詞ともいえる赤と黒のカラーリングです。
ブランド名のほかに64GB、microSDXC、そしてUHS-IとUHS-3、V30にA1とこれでもかというぐらいの刻印がされています。
それぞれ解説すると

  • microSDXC→64GB以上2TB以下の規格。未対応機器に挿すと死ぬ
  • UHS-I→標準のSDカード端子ながら高速転送に対応。IIでは端子が増える。
  • UHS-3→最低書き込み保証30MB/s
  • V30→シーケンシャルライトが最低でも30MB/s以上でる。4KもOK
  • A1→ランダムライトが500IOPS以上でランダムリードが1500IOPS以上。いずれも最低

個人的にはこうやって小さいものに「対応してるんだぜ!」って刻印があるのは大好きなので

「いいぞ、もっとやれ」

XperiaZ5で使用してみる


データを転送後、ベンチマークをしてみました。ベンチマークソフトはこちら
比較対象がeMMCなのは手持ちの高速microSDが死んでるからです。
端末上ではかなり速度が落ちるものなのですが、読み書きともに30MB/s以上を記録しており十分な性能がでているといえます。
また、ランダムライトやリードもA1よりも多く書き込みに関しては倍出ています。
以前はリードは同じぐらいでしたが、ライトは10MB/sでるかどうかだったのでこれはかなりの差があると思います。
実際に使ってみると画像の読み込みは速いですし、カメラの撮影もとても速くなっています。
4K撮影も、前からできてはいたんですが、実感処理が軽くなったかな?という印象です。

XperiaZにてSDカード情報


XperiaZ5のAndroid7.0ではSD Insightが利用できないのでlollipopなXperiaZを利用します。
製造日がなんと2017年の4月!(購入は5月)とできたてほやほやです。
しっかりとSanDisk製品であり、64GBと記載があります。
MODEL番号はこれまでのExtremeProの製品とも違っており、おそらく新設計NAND?

現状最速のmicroSDは強い


microSDは前述したとおりかなり前から利用されています。
512MBなどが主流だった時代から今では1TBがでるか出ないかというレベルに。
それと同時に必要な転送速度も増加し、現状のピン数でどこまで速度を上げれるか。さらにピン数を増やせばどこまでいけるかという挑戦にもなっています。
NAND自体はSSDの普及で高速化は著しいものがありますし、TLCなどの大容量化技術も急速に発達しています。
スマートフォンも携帯電話に比べるとほぼほぼパソコンと同程度の性能を要求されるようになっており、ハードウェアの進化は急務です。
A1規格もさらに進化したA2規格が既に登場しているか、UHS-IIというピン数を増やした規格をUHS-IIIで高速化するというさらなる規格もあります。
microSDは今後どんなことになるのか、そんなことを考えてしまう製品でした。