SONY MDR-1A ハイレゾヘッドフォン レビュー

流石にMDR-CD900STをリスニング用途で使い続けるのはしんどいと思いまして。

ハイレゾ導入期に発売された超広音域ヘッドフォン


2014年に「超高域100kHz再生に対応するハイレゾヘッドフォン」として発売された機種です。
古いですが、最近流行のバランス接続にも対応しておりケーブルを変更することで4.4mmバランスにも対応可能です。
また最近のヘッドフォンとしては比較的軽量な部類に入り、なかなか扱いやすいです。
発売当時は高かった価格も非常にこなれてきたほか、MDR-1AM2という新型が発表されたことで値下げに拍車がかかっています。


上位モデルだけあって梱包などは非常に豪華



SONYは内部に黒箱なパターンが多くこの機種も同様でした。
ヘッドフォン自体は布で保護されたプラスティックに固定されており、非常に衝撃に強そうです。
付属品は「ヘッドフォンケース」「4極→3極ケーブル(1.2m)」「4極→マイク→4極ケーブル(1.2m)」でした。
このケーブルがポータブル用途で利用するのであればちょうどいいのですが、PCの前で使おうとすると非常に短い
かといって長いケーブルとなると標準プラグのケーブルでしかも7kをこえるお値段です。


MDR-CD900STで標準コネクタは埋まっているしそもそも7kオーバーは・・。
交換用イヤーパッドなどが付属してあればうれしかったのですが、調べたところこのパッドだけで4kとかするみたいですね。

標準的な3極ケーブルながらギリギリまでバランス配線


付属している「4極→3極」のケーブルは内部で4線あるらしく、3極のコネクタギリギリまでGNDが分離されています。
実際私には変化がわかるかと言われると微妙なのですが、そういった事にも拘っているようです。
SONYが「高音質ケーブル」として販売しているMUC-S12SM1も4極→3極でツイストペアとなっておりバランス接続に極力近づけている感じです。


ただ、写真を見るとわかるように一般的な4極ジャックとは少し違う形状となっています。
一部の4極コネクタであれば問題なく接続可能なのですが、極端に太かったり細かったりするとうまく接続出来ません。
実質専用ケーブルしか使えません。
ただサードパーティから互換コネクタが数多く販売されているためリケーブルなどで困ることはほぼありません。
ヘッドフォン側がバランス対応の4極コネクタのため、バランス対応ケーブルを利用することでバランス出力が可能です。

ただSONY純正品なので2.5mmバランスの選択肢は無いため、そちらを使うのであればサードパーティのものか自作するしかありません。

追記:専用ヘッドフォンケーブルの制作を依頼


MDR-1Aはバランス接続対応ヘッドフォンです。
そのため、接続機器が3.5mmのアンバランスでもギリギリまでバランスで配線したいという精神的なものがありました。
ただ、そんなニッチな要求に対応しているケーブルはなかなか無いため今回はHEADPHONEWORKS様にケーブル制作を依頼しました。

MDR-1A用の2.5mmバランスケーブルの2.5mmバランス端子を3.5mmアンバランス端子に変更。
長さを3m化(+1420円)、送料280円の8,280円で作成していただきました。

線材はVIABLUEのEPC-4ケーブル。ピンジャックは金メッキ加工されています。
熱収縮チューブでしっかり固定されており、耐久性も問題なさそうです。
肝心な音質も、標準ケーブルより低音が穏やかになった印象です。また3mという長さも非常に快適になりました。
難点としてケーブル自体が固めの素材のため、こすれる音が響きやすくなったという点が・・・。
以下は標準ケーブルでのレビューです。

音質


正直私は「ハイレゾ対応」というのは「ある程度の音質は保証されている」程度の目安なので人間の可聴域をこえる高音などは検証していません。
ただ、MDR-CD900STに足りないと思っていた低音や装着性がかなりよくなっているとのことです。

HUD-miniとMDR-1A


※4極→3極ケーブルを利用。再生ソフトにはFoobar2000をWASAPI排他モードで利用。
MDR-CD900STと比較すると低音が増えた印象です。
900STは元々中高音寄りですが、それに上品な低音が追加されたような感じで非常に良かったです。
また音圧マシマシな今時音源は900STで聴くとしんどいのですが、MDR-1Aの場合音圧マシマシ音源も比較的マシにならしてくれました。
900STと比べると装着感も非常に良くなっています。
まぁスタジオヘッドフォンとリスニングヘッドフォンを比べるべきではありませんが・・・。

NW-A30とMDR-1A


※4極→3極ケーブルを利用。
本ブログでも購入者の多いA30シリーズ。お値段以上の音を出してくれて操作性も改善されたということでちょっとした人気です。
A30では普段NC(ノイズキャンセリング)を利用する関係上MDR-NW750Nを利用していました。
750Nは特殊な5極ミニピンジャックを利用しています。そのためなのか、一般的な4極や3極端子に接続するとかなり低音寄りの音になります。
しかし、A30でMDR-NW750Nを設定すると比較的安定した音になります。
他イヤフォン等では変化が無いためおそらく不要なピン(NC用端子)をしっかり接地処理等をしているのかと予想しています。
そのため750NがA30で出す音は比較的MDR-CD900STに近い音となっています。
MDR-1Aと比較するとやはり750Nはパワー不足があり、またヘッドフォンでしか味わえない臨場感に大きく差が出来てしまいました。
A30でMDR-1Aを再生するのは全く問題なくアンプのパワー不足等もありませんでした。
HUD-miniと比べると若干低音が強いかなと思いましたがそこまでの変化はありません。

新型の発表でお安くなっている今がオススメ!(?)


2014年に発売されたヘッドフォンですが、現在のトレンドであるバランス接続にも対応可能です。
ネットの記事などを見れば4.4mmケーブルを自作してバランスヘッドフォンとして利用している人も数多くいます。
また、MDR-1AM2はバランスケーブルとアンバランスケーブルの両方が付属しているためバランスを利用しない人には割高になる可能性があります。
構造自体が大きく変わったわけではなさそうなので(まだなんとも言えませんが)お安くなっているMDR-1Aが狙い目かもしれません。
並行輸入品などもAmazon等で販売されており、基本的に本物が来るようです。
保証などはありませんが、かなり安く販売されているのでそちらもおすすめです。